昨今のコロナ禍で在宅勤務の実用性を体感している企業が多い中、
今回はオフィスの持つ3つの機能のうち、『手続き的機能』から
“あえて”オフィスが必要な理由を学術的に紐解いていきたいと思います。
説明が遅くなりましたが、そもそもオフィスの持つ3つの機能とは、
カルフォルニア大学のエルスバッハ教授とニューヨーク大学のベッキー教授が、
2007年に共同で出した論文に記されている考えです。
その中の『手続き的機能』と聞いても直ぐにはピンと来ないと思いますが、
これはオフィスワーカーのパフォーマンス(効率性,品質,創造性)や
満足(居心地の良さ,所属意識)を改善する機能であり、個人の問題解決,
グループの意思決定やコラボレーションを支援するとされています。
今やスタンダードになりつつあるフリーアドレスや
最近注目を集めているABW(Activity Based Working)の導入も、
コミュニケーションやコラボレーションの促進等を通じて、
生産性や創造性を向上させるのはないかという観点から研究されており、
オフィスという物理的環境がこれらの効果を生む手段や助けになっている、
つまり手続き的機能の面から捉えることができるということになります。
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ティーズブレインのオフィスは先述のABWを導入しており、
一人で籠って個人業務をしたいときには集中ブース、
手軽にインフォーマルな打ち合わせをしたい時には、
気兼ねなく集まれるミーティングエリア、
目線を変えて気分を切り替えながら働ける昇降デスク、
時にはリラックスしながら仕事ができるソファ席など、
その時のバイオリズムや業務内容に合わせて働く場所が選べる様になっています。
目的は生産性向上とコミュニケーション活性化によるクリエイティビティの向上で、
まさに、今回ご紹介した『手続き的機能』をフルに生かしたオフィスとなっております。
一方で、在宅勤務だと働く場所が限定されるため、
短期集中は出来ても、1日中それを保つことはなかなか難しいです。
ましてや週5日在宅となると余計にパフォーマンスへの影響が出るため、
それぞれの強味・機能を理解し、オフィスで働く日と
自宅で働く日を上手く分けていくことが大事です。
次回はオフィスの持つ「シンボル的機能」について触れていきます。