さて、今回のトピックスは、
【最近耳にする「ABW(Activity Based Working)」ってなに?】です。
既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、
改めて、ABWに関する理解を深めていきましょう!
ABWとは、Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略称で、
「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方のことです。
元々オランダから発信されたワークスタイルで、社員の生産性向上を目的として取り組まれたといいます。
仕事内容によって最適な働く環境を選べるので、
集中したいときには静かな個室や集中スペースで作業したり、
ミーティングではゆったりできるカフェコーナーで議論したりと、
目的に応じて好きなタイミングで好きな場所を選ぶことができます。
そのためには、それぞれのシチュエーションを想定しながら
思考を凝らした環境設計が必要となります。
最近ではおしゃれでユニークなオフィス環境は珍しくないでしょう。
しかし、そもそもオフィスとは洗練された内装や社員満足度だけではなく、
生産性高く働ける場所という企業本来の目的を忘れてはいけないのです。
実際のレイアウトからABWオフィスの特徴をチェック!
★POINT:フリーアドレスと何が違う?
ABWと似た用語としてフリーアドレスが思い浮かびますよね。
フリーアドレスとは、2000年以降、イノベーティブなIT企業を中心に広まったオフィススタイルで、
社員が個人デスクを持たず、コワーキングスペースのフリーデスクのように、
その時々で空いている席に座って仕事をします。
当時は斬新であった発想、欧米諸国が発祥と思いきや、
実は省スペースを目的に1980年代の日本で開発されたのだそう。
ABWは、フリーアドレスが進化したワークスタイルと言えます。
フリーアドレスが机という物理的環境の自由化を実現しましたが、
ABWはこれに加え、「新しいITテクノロジー」と「社員の自主性」を備えて、
社員のさらなる生産性向上や多様性への対応による定着率向上が期待できるといえます。
ここで言う「新しいITテクノロジー」とは
時間と場所を選ばず働くという環境を支えられる仕組みのことです。
例えば、ペーパーレス化です。書面での決裁印が必要ということになると、
紙という物がある以上、決裁者がいる時間と場所に制限されてしまいます。
解決のためには徹底したペーパーレス化、柔軟性のあるワークフローが必要となります。
また、オフィス内外も問わないため、カフェや自宅での業務を実現するクラウド化に加えて、
セキュリティ管理体制や労務制度の整備などの支援も欠かせません。
制度に関する政府の後押しとテクノロジーの進歩によって、
社員が自主的に最大のパフォーマンスを発揮できるような働き方が実現できているのです。
このように多様化する働き方に対して、
マネジメントや評価の軸はどのようにしていくかについては、
また別の機会でお話したいと考えています。